真実の欠片



今日は休日で久しぶりに街にでた

綺麗な町並みで、自分だけが違う世界を生きてる気がした

特に目的もなくぶらぶらしていると

今は使われていない古びた教会が見えた

何故かその協会が気になり

そっと扉を開け、中にゆっくりと入った

教会の中の床はぎしぎし言って、埃のかぶったマリア像だけが

優しく微笑んでいた

近くにあった椅子に座り天井を見つめていると

扉の開く音がした

少し驚いて扉の方を見ると、美しい女性が立っていた

少し僕が固まっていると女性が

「珍しいわね、こんな教会に人が居るなんて」

そう優しい笑みを浮かべて言った

「ねぇ貴方のお名前は?私は

「あっ!僕はアレン・ウォーカーです」

普通名前を名乗るのはあまり良い事では無いが

何故かこの女性になら、さんになら

話しても良い気がした

とても優美で全てを包んでくれそうな雰囲気を持つ彼女になら




それから僕はさんに色々な事を話した

自分の職業、つい最近の仕事の事

本当は決して話してはいけない事だけど

さんに聞かれると、何故か答えずにはいられなかった

さんなら何か答えをくれる気がした


「エクソシストである事に僕は誇りを持っている

たとえ『破壊者』であっても

決して『救世主』になれないとしても

とても弱い僕だけど、それでも誰かを救いたい」


そう言った時優しいさんの笑みが

愉しそうに 歪 ん だ



「ねぇ、アレン君弱いってただそれだけで罪なのよ?」


さっきまでとは別人の様な顔をしてさんは言った



「弱い人間は誰も救えない 泣いて縋って来た人を

ただ見捨てる事しかできない

そして自分は強い人間に縋る

強い人が誰かを支えるのにどれだけ傷つくかも知らず

自分は何も悪くない様な顔して


弱い人間はね生きてるだけで迷惑かけてるの


誰かを傷つけ、見殺しにして生きてるの」



何かが崩れる音がした

優しい笑みを浮かべていた彼女が

今は愉しそうに笑っている


「ち、違う!確かに弱い人は確かに他人を救う事は難しい

それでも!救う事は出来る!全てではなくても、救う事は出来る!」


「違わないわ、弱い人間は誰も救えない

破壊する事しかできない」




「アレン君、貴方は誰かを救えたかしら?」





そう愉しそうにさんは言った

違う!違う!

確かに僕は破壊者だけど、それでも



「それでも僕は誰かを救える破壊者になりたい!」


心が壊れそうだった

なぜ?さっきまで優しい笑みを浮かべていたのに

・・・・・彼女は誰?



「・・・あ・・あな・・た・・・は・・・・いったい誰?」


そう言うと彼女は可笑しそうに声を出して笑った



「はははは!

アレン・ウォーカー、貴方壊しがいが在るわ

私?そうね、私は


オリーブの葉を銜えてくる者よ」


さんが言った刹那強い風が教会の中をかけた

あまりの風の強さに目を瞑った



「また会いましょう?愚かな偽善者」



その声を聞き終えた時にはもう

彼女の姿はどこにも無かった














、エクソシストで遊んだそうじゃないか」

黒い男が言う

「あら、ティキ。ふふ、愉しかったわ

あの絶望に満ちた瞳

どこまでも、どこまでも 壊したくなる」

不気味な程美しい笑みを浮かべては言った

「あれは、一応俺が始末すんだから、あんまり壊すなよ?」


「そうね、彼の瞳に光が宿った時はもっとボロボロにして

ティキにあげるわ。心臓奪えば十分でしょ?」



楽しみだわ、ねぇもっともっと踊ってみせて

愚かな愚かな 道化師さん











(4/24)こんにちわ 道化師